小麦粉の賞味期限切れはいつまで?半年・2年後は?未開封・開封後別にも紹介!
小麦粉の賞味期限を知っていますか?今回は、〈薄力粉〉など小麦粉の賞味期限や、〈1ヶ月・半年・1年〉が経った賞味期限切れの小麦粉は大丈夫なのかを紹介します。小麦粉の賞味期限が切れて食べられない状態や、使い道・活用方法も紹介しますので参考にしてください。
目次
小麦粉の賞味期限は?未開封・開封後だと?

小麦粉は1回あたりの使用量が少ないことも多く、意外と使い切れないという人も多い食材です。小麦粉は未開封と開封後で賞味期限が大きく変わるため、期限切れにならないよう、それぞれの期限について事前に確認しておきましょう。
【未開封】強力粉:約6ヶ月|中力粉・薄力粉:約1年
未開封の小麦粉は、基本的にパッケージに記載されている期間、おいしく食べられます。パンなどに使用する強力粉は製造してから約6ヶ月、揚げ物やうどん、クッキーなどに使用する中力粉・薄力粉は約1年が目安です。未開封の状態であれば比較的、長期間の保存が可能な食材と言えるでしょう。
強力粉の賞味期限が短いのは、小麦粉に含まれるたんぱく質の一種であるグルテンが関係しています。強力粉にはグルテンが多く含まれていますが、このグルテンは時間の経過とともにもろく変質しやすい成分です。そのため、グルテンが多い強力粉は、中力粉や薄力粉に比べて賞味期限が短めになっています。
伊達友美
管理栄養士
強力粉にはパン作りに重要な「グルテン」を作るもとになるたんぱく質が多く含まれているからです。時間が経つと変質しやすい成分なので、パンの膨らみや食感に影響することがあります。
【開封後】種類に関わらず約1ヶ月
小麦粉を開封した後は、種類に関わらず約1ヶ月で食べ切る必要があります。パッケージに記載されている賞味期限は未開封の状態での期限となるため、開封後は記載されている賞味期限に関わらず、早めに使い切るようにしましょう。
ちなみに小麦粉を冷蔵庫・冷凍庫で保存するのはNG
開封後は冷蔵保存が推奨される食材も多くありますが、小麦粉は冷蔵庫・冷凍庫での保存に適していません。小麦粉を冷蔵庫や冷凍庫で保存すると、結露によって小麦粉が固まったり、カビが発生したりする場合があるためです。また、さまざまな食材が入っている冷蔵庫では小麦粉に臭いが移ることもあるため、小麦粉は開封後でも高温多湿を避けた常温保存が推奨されています。
伊達友美
管理栄養士
冷蔵や冷凍をすると、小麦粉に含まれる油分の酸化は抑えられますが、ダマになったり、カビたりするリスクは高くなるので、注意しましょう。
小麦粉の賞味期限が切れて食べられない状態は?

小麦粉は多少、賞味期限が切れても食べられることがありますが、保存状態によっては腐ってしまいます。次のような状態のときは、賞味期限切れの小麦粉は食べないようにしましょう。
①酸っぱい臭い・異臭がする
賞味期限が切れた小麦粉の傷みが心配なときは、少量をぬるま湯に溶いて臭いを確認しましょう。見た目に変化がなくても、酸っぱい臭いや異臭がする場合は食べられません。微生物やカビが増殖していたり、小麦粉に含まれる油脂が酸化して品質が落ちていることがあります。
②ダニが発生している
小麦粉は開封後も常温保存が基本のため、保存状態が悪いとコナヒョウヒダニやケナガコナダニというダニが発生することがあります。一見して変化がない場合でも、小麦粉を黒い紙などに出して観察すると、ダニが動いていることが確認できます。小麦粉を密封せずに保存したり、高温多湿な環境で保存したりした場合、ダニが発生しやすくなるので要注意です。
③カビが生えている
小麦粉が黒色や緑色に変色していた場合はカビの発生が疑われるため、その小麦粉は食べられません。小麦粉は本来、水分量の少ない食材ですが、湿度の高い場所で保存していた場合、カビが発生しやすくなります。また小麦粉を冷蔵庫や冷凍庫で保存すると、冷蔵庫の開け閉めから起こる温度差によって結露が発生し、カビが生えることもあります。
小麦粉の賞味期限切れはいつまで大丈夫?食べたらどうなる?

賞味期限はおいしく食べられる期限として設定されているため、小麦粉は多少賞味期限が切れても食べられる場合があります。賞味期限が切れてからの期間別に、食べられるかどうかや味わいの変化などを紹介しますので、参考にしてください。
【1ヶ月】賞味期限切れの小麦粉
未開封の小麦粉であれば、賞味期限が1ヶ月過ぎた場合でも問題なく食べられることが多いでしょう。しかし、未開封でも保存状態が悪い場合には、袋の内部でカビやダニが発生していることがあります。未開封だからといって安心するのではなく、食べる前には必ず見た目や匂いなどを確認してください。
【1ヶ月賞味期限が切れた小麦粉】
・食べられるか:未開封で適切に保存していた物であれば食べられる
・臭い:変わらないことが多い
・見た目:変わらないことが多い
・ダニの可能性:高温多湿な環境で保存していた場合は、ダニが発生している可能性がある
・味わい:小麦粉の風味や旨味は多少落ちている可能性がある
【半年】賞味期限切れの小麦粉
正しい方法で保存していた未開封の小麦粉であれば、賞味期限を半年過ぎたものでも食べられる場合があります。ただし、賞味期限が半年も過ぎるとカビやダニなどが発生する可能性も高まるため、食べる際は自己責任となります。見た目や臭いなどを確認し、少しでも異変がある場合には食べないようにしましょう。
【半年賞味期限が切れた小麦粉】
・食べられるか:未開封で適切に保存していた物であれば食べられる場合もある
・臭い:変わらないことが多いが、酸っぱい臭いやカビ臭い場合は食べるのを控える
・見た目:変わらないことが多いが、カビが確認された場合は食べるのを控える
・ダニの可能性:高温多湿な環境で保存していた場合、ダニが発生している可能性が高い
・味わい:小麦粉の風味は落ち、品質は下がっている可能性が高い
【1年】賞味期限切れの小麦粉
賞味期限は安全性に余裕をもって設定されていますが、賞味期限が1年や2年以上過ぎた小麦粉は食べないほうが良いでしょう。未開封でも古い小麦粉には、カビやダニが発生している可能性が高く、食べてしまった場合、下痢や嘔吐など食中毒のような症状を引き起こす危険性もあります。
【1年賞味期限が切れた小麦粉】
・食べられるか:未開封の場合でも食べないほうが良い
・臭い:酸っぱい匂いや油臭さ、カビ臭さが感じられることがある
・見た目:カビが生えていた場合、黒色や緑色に変色している
・ダニの可能性:ダニが発生している可能性が高い
・味わい:風味が著しく落ちている可能性が高い
伊達友美
管理栄養士
ダニはアレルギーの原因になる場合もあります。蕁麻疹や下痢、呼吸障害などのアレルギー症状に。加熱してもアレルギーの原因になる成分は分解されにくいので、特にアレルギー体質の方は注意してください。
賞味期限切れの小麦粉の使い道・活用法は?

賞味期限切れの小麦粉には、意外な使い道があります。賞味期限が切れて食べられなくなった小麦粉をそのまま捨てるのはもったいないと感じる人は、次のような活用方法も参考にしてください。
①コンロ・換気扇の掃除に使う
小麦粉には油を吸着する性質があるため、賞味期限切れの小麦粉はコンロ周りや換気扇など油汚れが気になる場所の掃除に活用できます。油汚れに小麦粉を振りかけ、しばらく置いた後に布や雑巾などで拭き取ると、油汚れを簡単に落としやすくなります。汚れが酷い場合は小麦粉を多めに振りかけ、ブラシなどでこすりながら掃除すると良いでしょう。
②油を廃棄する際の凝固剤に使う
賞味期限切れの小麦粉は、使用済みの揚げ油の凝固剤としても活用できます。油が完全に冷める前に、油と同じくらいの量の小麦粉を入れてよくかき混ぜると、小麦粉が油を吸着して固形状になります。その後は、固形状になった油を新聞紙やビニール袋に入れて捨てるだけです。
この方法では一度にたくさんの小麦粉を使用するため、賞味期限切れの小麦粉をまとめて消費したいときにも最適でしょう。
小麦粉の賞味期限を知ろう
小麦粉の賞味期限は、未開封の状態であれば約6ヶ月~1年となりますが、開封後は約1ヶ月で使い切る必要があります。賞味期限が切れたからといってすぐに食べられなくなるわけではありませんが、カビやダニなどが発生することもあるため注意が必要です。小麦粉は高温多湿を避けた常温で保存し、賞味期限内に食べ切るようにしましょう。