干し柿にカビが生えた時の見分け方は?白・緑は危険?対策や食べても大丈夫かも紹介!
干し柿のカビの見分け方を知っていますか?白い粉はカビでしょうか?今回は、〈白・緑・青〉など干し柿のカビの見分け方や、生えたらどうするべきか・食べても大丈夫かを紹介します。干し柿のカビが生えない対策・防止方法も紹介しますので参考にしてください。
目次
干し柿にカビが生えたかも?カビじゃない場合も?

干し柿は素朴な甘みと独特の風味で多くの人に親しまれている、室内で保管できる保存食です。ところが、室内で保存中に表面に変化や異変が起こる場合があります。見た目の違和感があったとしても問題があるとは限らず、冷静な判断が大切です。そこで、干し柿の状態について紹介します。
干し柿の白い粉は「柿霜」
干し柿は自然な甘さと独特の食感で、昔から多くの人々に親しまれてきた身近な食べ物です。ところが時間が経つにつれて表面に変化が現れる場合があり、それを目にした時に不安を感じる人は少なくありません。よく見られる変化が「柿霜」と呼ばれる表面の白い粉で、付着していると思わずカビと勘違いしてしまいがちです。
しかし、干し柿の白い粉は劣化や腐敗に直結するとは限りません。干し柿の状態を見極めるには、よくある誤認や見た目の特徴について理解することが大切です。白い粉やカビとの違い、見分け方については後述します。
干し柿のカビの見分け方は?
干し柿は乾燥させて作られ、保存性が高いとされていますが、時期や室内での保管状況によっては品質が損なわれる場合もあります。誤って傷んだ物を口にしないためには、見た目の特徴や状態の違いに注意を払い正しく判断することが大切です。カビとそれ以外を判断する見極めのポイントを紹介します。
①白カビと白い粉の見分け方・違い

干し柿の製造過程で果実内部の糖分が外に滲み出て、それが乾燥すると見た目に変化が生じ「柿霜」という白い粉が現れます。この現象は、甘味の強さを示す目安の一つとされ、見た目に反して品質の良さを表すものです。一方で、表面の様子に明らかな異変がある時は注意が必要です。
細かい斑点が局所的に現れたり、作っている最中から白い膜が広がってきたりする場合は、変質が進んでいる可能性があります。白カビの可能性が高く、口にするのは避けた方が良いでしょう。白カビによる健康被害は、摂取後ほどなくして現れるケースが多く、主に消化器に不快感をもたらします。
具体的には吐き気や嘔吐、下痢などが初期の兆候として見られ、場合によっては発熱や腹部の痛み、全身の倦怠感を伴う場合もあります。ほとんどは軽度で済むケースが多く時間の経過とともに自然に回復しますが、少しでも体調に異変を感じた時は、早めに医療機関で診てもらいましょう。
【白カビの特徴】
・触った感触がフワフワ
・盛り上がった形状
・斑点状に現れる
【柿霜の特徴】
・触った感触がザラザラ
・柿全体が白い
②黒カビと黒い斑点の見分け方・違い
干し柿の表面に黒く見える部分がある場合は、状態を慎重に確認し注意しましょう。干し柿は黒い斑点がまだらに点在していたり、全体がうっすら黒っぽくなっていたりする場合があります。一方は黒カビで、もう一方はタンニンが酸化したもので品質に問題ありません。黒くなっていても食べられる場合があるので、色の出方や広がり方に注目し見極めましょう。
また、温度や湿度が高い環境に置くと柿霜が溶け、カビが生えやすくなります。時期によっては干し柿は室内ではなく冷蔵庫か冷凍庫で保存すると良いでしょう。
【黒カビの特徴】
・黒い斑点がまだらに点在する
【酸化したタンニンの特徴】
・干し柿全体がうっすら黒くなる
青色・緑色の斑点はカビの可能性が高い
干し柿の表面に青みや緑がかった変色が見られる場合は、注意が必要です。青や緑の斑点が浮かび上がっていたり、表面にふわふわとした物が付着していたりする場合は、腐敗が進んでいる可能性が高いといえます。白カビや黒カビとは別の種類の青カビです。高温多湿が原因で発生し、特有の臭いや風味があります。
摂取してしまった場合の中毒症状としては、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状が現れるでしょう。もし青みや緑がかった干し柿を食べて体調が悪くなった場合は、早めに医療機関を受診してください。
干し柿にカビが生えたらどうする?食べても大丈夫?

干し柿は室内でも長期保存ができる食品ですが、時期により湿度や温度の影響を受けやすく、保存環境によってはカビが生えてしまいます。もしカビが生えた場合、口にして良いのかどうか判断に迷う場合もあるでしょう。干し柿にカビが生えた場合の対処法ついて紹介します。
干し柿のカビは少量であれば食べられる場合もある
干し柿にカビが生えた場合でも、広がり方によっては食べられる場合もあります。特定の箇所に限られた変色であれば、包丁などで丁寧に除去する取り方で対応が可能です。ただし、白カビが付着している場合は内部までカビの菌が繁殖している可能性があり、対処を誤ると健康に問題が生じる恐れがあります。
少量であってもカビの種類や広がり具合によって安全性が異なります。口にするかどうかの判断は自己責任で行ってください。また、見た目に問題がなくても、カビが生えた時点で干し柿の風味や味わいは損なわれているでしょう。
ただし基本的に干し柿にカビが生えたら食べるのはNG
干し柿に変質が見られた時は、基本的に安易に口にしないのが重要です。カビが発生している物は表面だけを取り除いても内部まで影響が及んでいる場合があり、見た目では判断し切れません。微細な胞子や根が果肉に入り込んでいると洗うだけでは有害な部分を完全に取り除けず、口にすると腹痛や食中毒を引き起こす可能性があります。
特に、体力の弱い高齢者や小さな子供が食べたら危険です。食べてしまった場合、その後に異変があれば速やかに医療機関に相談しましょう。安全を優先し、カビが付着した干し柿は迷わず処分した方が無難です。
干し柿にカビが生えない方法は?対策・防止できる?

干し柿の見た目や風味を損なわずに楽しむには、日々の扱い方に気を配ることが大切です。特に、時期によっては湿気や温度の管理を怠ると品質の低下に繋がります。干し柿を室内で長く良い状態でキープする保存の工夫について紹介しましょう。
①干す前に熱湯で消毒する
皮を剥いた柿を高温の熱湯に短時間くぐらせて洗うと、表面に付着した雑菌や汚れを綺麗に取り除けます。消毒用のアルコールや専用の器具が手元になくても実践できるのが熱湯を使うメリットです。使用する熱湯は、沸騰した状態にすることが重要です。
途中で熱湯の温度が下がったり温度が十分でなかったりすると効果が薄れるので、火力を強めにして熱湯の温度を高温に維持しましょう。熱湯処理を終えた後は、余分な水分を丁寧に拭き取ってください。余分な水気を除くのが自家製の干し柿を清潔な状態に保つポイントです。
②定期的にアルコールを吹きかける
焼酎やウイスキーなど家庭にある蒸留酒の活用は、特別な道具も不要で手軽に実践できる方法です。霧吹きを使って直接吹きかけたり、布やペーパーに染み込ませて全体を拭いたりする方法が一般的です。アルコールは定期的に使用すると、表面の衛生状態を保ちやすくなります。
カビを防ぐ方法に酒を使用する際は、アルコール含有量が35度以上の物を選ぶと良いでしょう。熱湯処理と併せて行うと、カビを予防する効果が高まります。
③柿同士の間隔を確保する
干し柿同士が接触していると空気が通りにくくなり、湿気がこもって乾きにくくなります。密着している部分は水分が残りやすく、そこから傷みやカビが広がる恐れがあるのです。外や室内問わず、吊るす際は上下左右にゆとりを持たせ、間隔を確保して配置するのが基本です。空気の流れを遮らないように配置し、干し柿が変質しにくい環境を整えましょう。
④日当たりと風通しの良い場所に干す
湿気がこもらず陽射しがよく届く場所を選ぶと表面の乾燥がスムーズに進み、カビが生えにくい状態を保ちやすくなります。特に、柿を干し始めた直後は果実に水分が多く残っているので、湿度が高い日を避けて作業を始めるのがベストです。
ただし、直射日光に当て過ぎると見た目に変化が出る場合があります。品質に大きな影響はありませんが、黒く変色するので手作りの干し柿を綺麗な見た目に仕上げたい場合は直射日光の当て過ぎは避けましょう。
乾燥させる時期は気候にも左右されますが、おおむね2~3週間が目安です。11月中旬~12月中旬の気温や湿度のバランスが取れた時期が、干し柿作りに適しています。
⑤雨の日は室内で干す
天候が不安定な時期は、干し柿の作り方に注意が必要です。雨が降る日は外に置いたままにせず、湿気を避けるために屋内へ移動させましょう。柿が濡れてしまうと乾いていた表面が再び湿り、乾燥がうまく進まなくなってしまいます。
水分が長時間残る状態は、カビの原因になり得ます。干している時期はこまめに天気の動きを確認し、状況に応じて干し場所を変える柔軟な対応でカビを予防しましょう。
干し柿のカビの見分け方や対処法を知ろう
干し柿は保存状態によって見た目に変化が現れる場合がありますが、正しい知識を持っていれば安全に美味しく楽しめます。カビとの違いや発生を防ぐ工夫を理解し、適切な方法で保存や管理を行ってください。カビの見分け方や対処法を身に付けておけば、干し柿を最後まで無駄にせず食べられます。